■6カ国協議が10日からはじまりました。今世紀最大の茶番もいよいよ大詰め? 一応、北朝鮮の核計画申告の検証方法が議題の中心、完全なる核放棄、などと立派な見出しがついてますが、ありえない、うそばっかり、と誰もが不信感一杯なのに、きちんとまじめに協議するんですね。国際政治ってすごいなあ、と思います。麻雀でいうなら、米朝がコンビ打ちでいかさまやってるんだけれど、中国がむかつきながらも、今後の付き合いを考えて見逃して原点維持、日本だけがまんまとカモになってハコテンになっちゃうみたいな感じでしょうか。ロシアは外馬で勝って、韓国は麻雀のルール知らないので授業料を払って見学。
■でも雀荘(国際社会)でいかさまやったら、出入り禁止ですよ~、ふつう。
■さて、6カ国協議がはじまると北京特派員は、「他のアポいれるな、待機」と命令がくだり、張り番か、会見場で待つのが主な仕事になります。正直、あまり楽しい仕事ではないので、ブログであほなこと書いているわけです。夜はヒル番です。
■暇ついでに、中国様が、この6カ国協議を通じた北朝鮮のやりたい放題のいかさまゲームをどうみているのか、について、ちょこっと調べてみました。
■愛読紙・南方週末(10日付)には、朱锋北京大学国際関係学院教授がなかなか率直なことをかいています。つまり、
■北朝鮮の冷却塔爆破ってさ、たんなる北朝鮮のかっこつけじゃなくて、それこそ米朝双方のねりにねった、外交とりひきだよね~
そのとおり!コンビ打ちです。この経緯を朱教授は説明しながら、この局は北朝鮮の一人勝ち、それは米国の積み込みのおかげ、日本は一人負け!
としています。その手の内をあかして、米国ってひでぇ!といっているわけです。中国にとっても、この局は本当に腹立たしいものだったのでしょう。だって、北朝鮮とコンビ打ちして、勝ち逃げするのは当初中国様だったはずなのですから。
■というわけで、朱教授の論評をざざざっと、意訳してみましょう。(適当)
(引用開始)
■2007年9月、米朝はジュネーブで対話を開始し、ヒルは直接、キム・ケグヮンにこう提案した。「平壌は、すでに〝無能力化〝に同意したのに、なぜ、寧辺の核施設の象徴的意義がある冷却塔を破壊しないのかい?」
■米国がゆずれない最後の一線というのは、北朝鮮が対外的に核を拡散しない、という一点であり、それさえ守ってくれれば米国は朝鮮の核問題で軍事力を行使することはない、というものだった。(それを守らないなら、軍事行動はありうる)。だから今年2月、米国が朝鮮とシリアが核取引をおこなっていたと発表したのは、北朝鮮にむかって、(あんまりわがままこいていると)決裂するぞ、というサインでもあった。
■今年5月10日、米国政府の朝鮮半島専門家が北朝鮮を訪問、7箱の核申告資料をもって帰ってきた。北朝鮮は国内18の核施設の状況を詳細に説明していた。
■米国議会は2008年の会計年度予算法案で、5300万㌦の対北朝鮮エネルギー支援予算を計上した。
■北朝鮮はヨンビョンの冷却塔を(米国のモーニングショーの時間にあわせて)爆破、6カ国協議の序幕とつづく。
■冷却塔が爆破された11日後の7月8日、中国外交部の秦剛・報道官が10日、6カ国協議再開、と宣言。
■冷却塔を破壊したの6カ国協議に何のいみがあるか?なぜ北朝鮮は冷却塔を破壊して宣伝する必用があったのか?
■
■この米朝の外交取引(コンビ打ち)が完成するまで、約1年の歳月がかけられた。
■まず2007年2月13日合意で、行動計画が開始、10月3日に、核の無能力化にむけた第2段階行動計画でもって、北朝鮮の核放棄プロセスが決定。
■
■そのかわりに、北朝鮮はヨンビョンの無能力化と核計画申告をおこない、かわりに100万㌧の重油援助と、米国のテロ支援国家指定解除を獲得することになった。
■2003年1月に北朝鮮が核不拡散条約(NPT)から脱退し、ヨンビョンで5兆ワットの黒鉛減速反応炉を再始動してから、ヨンビョンの施設は調節や故障などで少なくとも20回閉鎖されている。(だからいくら閉鎖しても直ぐ再始動できるんだ)
■2007年2月13日合意後、7月に北朝鮮は正式にヨンビョン施設を閉鎖し、専門家による核査察を受けた。
■そして、閉鎖、無能力化という文言は、曖昧にされた。「閉鎖」というのは新しく再開できるし、無能力化とはヨンビョン施設終結を意味するものではない。この曖昧な言葉が意味するのは、一時使用停止、にすぎない。北朝鮮がまたこれら施設を始動させたいとおもえば、論理上は短時間で機能を回復正常運営できるのである。
■前にクリントン政権と北朝鮮が核計画凍結で合意したのより、ちょっと聞こえがいいだけである。
■
■2007年12月、ヒルは平壌を訪問、北朝鮮は核申告のだいたいの内容を報告した。
ただしこれら内容は、米国からみると、まったく新鮮味もなく、濃縮ウランの秘密など実質的問題は回避され、米国は、こりゃダメだと、拒絶した。
■ブッシュ政権は北朝鮮に対し、核申告を徹底するよう大きな情熱を傾け、北朝鮮にとって核申告が踏み絵である、とした。そのかわり、ワシントンは北朝鮮をテロ支援国家のブラックリストからはずすことを望んだ。2007年12月7日、ブッシュは福田首相に手紙をおくり、日本が米国の立場を理解するようもとめた。この真意は、つまり、拉致問題と核問題を一緒に解決することにこだわり続けるんなら日本を見捨てるつもりだよ、ということである。でも、ここまで苦労してして待ったにもかかわらず、結局、北朝鮮に核申告を拒絶する結果となる。
■このときの米国の心理は想像できる。ブッシュはこのとき、硬軟織り交ぜる新たな手段にでる。軟とは、2008年1月5日に北朝鮮の核申告の期限を韓国新大統領就任まで延期すると宣言したこと。硬とは、米国のインテリジェンスが4月22日に北朝鮮にシリアに核技術を提供した、との情報を公開することだった。
■2007年9月、米国メディアはイスラエル空軍がシリア北部の秘密核基地を空爆したと報じ、その施設が北朝鮮の援助で建設されたと報じた。米国政界とメディアは北朝鮮を徹底批判したが、ブッシュ政権はあえて何も言わなかった。ブッシュ政権は、もし北朝鮮とシリアの核取引の情報を公開すれば、国内は反北朝鮮世論がおき、必ず米国と北朝鮮の対話に進展があると、はっきり分かっていたのである。
■同時に、韓国の新大統領は北朝鮮政策を調整中、盧武鉉政権の太陽政策は、北朝鮮の核廃棄、人権優先の政策に転換しつつあった。
■平壌は韓国から食糧、化学肥料、エネルギー支援と投資をうけていたが、これが一挙に失われる。朝鮮も、工業区の11人の韓国外交官を追い返すなど反撃にでた。泣き面に蜂というべきか、北朝鮮は今年、深刻な飢饉である。金正日は何度も講話し、食糧問題解決を朝鮮の最重要政治任務とした。
■こういう情勢が、平壌の政策を柔軟にさせた。平壌も膠着状態を打破したいと思い、米朝関係の基礎の上に、国内の生存状況を改善しようと願った。で、5月10日、米国政府の朝鮮半島専門家・金成は北朝鮮を訪問、核申告資料7箱を持ち帰った。これら資料の中には1985年の核兵器研究に関するものや、北朝鮮国内の18核施設の状況も含まれる。
■これで、ブッシュは2009月1月の退任前に、北朝鮮の核放棄という最終目標を実現はできなかったが、クリントン政権が核凍結しかできなかったのに、自分は核廃棄ができたと、自慢することはできるわけだ。
■冷却塔破壊(のアイデア)はヒルの勝利であった。彼は、おそらく彼の職業生命をかけた最大の賭けにでた。かれは、ブッシュとライスを説得し、北朝鮮にやわな態度をみせて、国内の強硬派から批判を受けたが、北朝鮮の心を多少は動かした。北朝鮮が冷却塔を爆破に同意した、これは、この米国主席代表に対する北朝鮮のめったにみせない信任ぶりを意味する。少なくとも、国際メディアが報じた冷却塔爆破は、平壌がヒルのメンツをたてたという意味もある。→(ヒル氏は朝鮮にかわいがられていました)
■冷却塔が爆破され、六カ国協議がはじまり、第二段階行動計画の完成に曙の光がさし始めた。協議の再開は北朝鮮からすれば、当たり前のことだが、米国にすれば、切迫した事態だった。ブッシュ政権にのこされた時間は多くなく、ワシントンは2008年の年内に第三段階の行動計画協議を合意させ、将来の核放棄の具体的ステップをきめて、対北朝鮮外交の遺産としたいわけだ。
■北朝鮮が冷却塔の爆破を通じて、事実上、思うとおりの利益を得た。つまり250万㌦の冷却塔爆破、除去関連費用である。米国の2008年度予算法案に、5300万㌦の対北朝鮮エネルギー支援予算に続いて、ブッシュ大統領は、さらに1500万㌦の予算を追加した。
■米議会筋によると、北朝鮮の核放棄関連費用は、2009年から2012年で、3億㌦、2億㌦、5000万㌦、2500万㌦と、累計5・75億㌦にのぼるだろうという。これは北朝鮮にとっても魅惑的である。
■さらに、ブッシュ政権は6月27日、米議会に、「朝鮮をテロ支持国家のブラックリス
トからはずし、北朝鮮に対する敵国扱いの貿易規制を解除する」と通達した。
■さらに、北朝鮮が日本に拉致問題で対話を継続しさえすれば、米国は事実上、日本の反対を蚊帳の外にほっておく、とした。朝鮮は米国カードを使って、日本の頑迷な敵意を溶解させ、このゲームを詰むことができる。
■しかし、それも6カ国協議が再開せず、新しい協議がなければ、こういった特典を得ることはできない。
■さて、これからは、いかに第三段階の核放棄の詳細を討論するかこれが、6カ国協議は新たな大きな協議にうつるわけだ。しかし、朝鮮の核申告は各国にしてみれば、時間をかけて検証せねばならず、新しい協議の立場も考慮せねばならない。米朝の両主役の関係は複雑だが、だんだんなれあってきた。日本は?7月7日の東京における福田との会談で、ブッシュは、日本の拉致問題について詰問され気まずくなったとき、六カ国協議内部でもなれあってしまった。どうして米朝間でそうならないと?
■というわけで、ヨンビョンの冷却塔爆破によって6カ国協議は復活。核廃棄計画第3ステージについて話し合われることになる。しかし、この新しい協議が求めるべき答えは、爆破された冷却塔の瓦礫の中にあるのではなく、半島の非核化の誠意の中にかくされているのである。(以上)


by nihonhanihon
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