■中国でブタの感染症・青耳病(PRRS)が猛威をふるっている。公式発表では26万頭弱が発症、17万5000頭が処分されたというが、そんなに少ないはずがない、きっと情報隠蔽だ、とウワサがとんでいる。中国人はほんと、公式発表を信じない。だまされ続けてきたからね。今年5月に業界筋がメディアに語ったところによると2000万頭?どっちが本当の情報かは別にして、昨年初めに6・8億頭いたブタが、今年はじめには4・67億頭にへっている。これは農業省の統計。つまり一年で2億頭以上へっているわけだ。
■このPRRSが、SARSや鳥インフルエンザみたいに国外にまき散らされたらかなわん、と今FAO(国連食糧農業機関)が、中国に情報開示やサンプル提供をせまっているらしい。なんでもベトナム中部でもPRRSが大流行して、その致死率の高さが中国型ぽいのだと。世界の半分のブタを飼育し、その肉の輸出量も世界4位と多い中国で、ブタの感染症が広がれば、そのウイルスが周辺国の飛び火することもありうるわけだ。
■さて、このブタ感染症拡大によって、豚肉供給量が急激におちたため、中国の豚肉価格は高騰している。キロあたりで18元以上だ。売り惜しみも手伝って、もっと高くなりそうな気配。北京では7月の豚肉価格は昨年同期比64%増だと。
■しかし、そんなに豚肉が高騰しているのに、街角には、なぜか値上げしないの肉まんや豚肉料理があふれている。そして、まことしやかに流れる病死豚肉の市場流入。実際、広東省などでは大量に摘発されている。商務省は、ヤミ屠殺業者取り締まりの徹底を通達しており、新聞では病死豚肉の見分け方の特集が掲載されている。どうやら、本当に豚肉市場に病死豚肉は相当まぎれこんでいるらしい。肉を直接買う場合、その色などで気がつくことも可能だが、コワイのは調理済みの食品なのだ。とくに、街角で売られている安い屋台スナック類。相当リスク高し。
■というわけで、今回エントリーは、あぶない街角の屋台もの、小喫とよばれるスナック類を集中紹介したい。
■安くてまずい屋台スナック
今時、地元民も食べないよ。
客は民工(出稼ぎ農民)と地方からのお上りさんと外国人
添加物、不純物、雑菌がいっぱーい
■よくテレビで芸能人が、屋台食べ歩き紀行、B級グルメ特集みたいな番組で、おいし~とかいって、中国の屋台スナックを食べている。で、私は、おいしわけね~よ、とか、それ猫の肉じゃないの~、とかツッコミながらみている。北京では、今、屋台スナックを喜んで食べるのは、お上りさんか外国人、あるいは民工(出稼ぎ農民)なんていわれているのだ。
■昔は違ったらしい。屋台スナックは、庶民から愛されていて、出勤途中に、屋台スナックを朝食用に買ったりしたそうだ。春餅とか肉まんとか。でも、北京市民はだんだん屋台モノを食べなくなった。ひとつには生活水準があがったこと。清潔で安く座るところもある中国点心系ファストフードが増えたこと。地もとの人が食べなくなる、これはつまり、屋台にとって常連客がいなくなるということ。一見の客ばかりになると、品質を維持しようというより、値段を安くしてより多くの人に買わせることことに勢力を注ぐようになり、屋台スナックの味や品質が落ちる。まずくなるから、よけいに地もとの人が食べない。だから、よけいに安売り競争に陥り、品質が悪くなる。そういうループにはまって、今、北京の屋台スナックはまずく、品質も悪くなってしまった。これは北京だけでなく、各都市に共通した状況ではないだろうか。
■しかも、単にまずいだけでなく、本当に危険なものもある。ちなみに、街角にうっているすべてのスナックがそうだ、というわけではなく、怪しい屋台スナックにはこんなものもある、という参考程度にしてください。
■①ちまき。
端午の節句に欠かせない粽。あるいみ中国の無形伝統文化。中国の粽は、豚肉やナツメが入ったボリュームたっぷりのものや、砂糖入り、小豆入りと、種類が豊富だ。しかし、この粽も、信用のおける店で買わないと、たまに恐ろしいものがある。
■たとえばボラックス粽。ボラックスとは、洗剤の原料に使われる鉱物。これを粽にまぜると、食感に弾力が出た一見おいしそうな粽ができあがる。もちろんボラックスの食品添加は禁じられている。ボラックスを食べると、嘔吐、下痢などの症状を引き起こすという。食の安全問題をずっと取材してきたフリージャーナリストの周勍さんによると2004年6月に、北京の工商、衛生当局がこの、ボラックス粽のヤミ製造拠点を摘発したときは5㌧のボラックス粽を押収したとか。あと周さん自身が現場取材した粽の製造現場では、粽をわざと汚水につけて色をつけていたという。豚肉入りちまきって、茶色しているからね。
■最近では安徽省で、賞味期限切れ2年の粽をパッケージを買えただけで偽装して売ろうとした合肥皖毛毛速凍食品有限公司が抜き打ち検査で摘発された事件が報じられた。(2007年6月18日新華社)米の形状がなくなるぐらい腐りはてたそうだが、よくそんなものを売ろうという気になるとあきれてしまう。
■②油条(あげぱんみたいなもの)。
あげたての油条を、甘い豆乳に浸して食べる朝ご飯は確かにおいしい。だが、これも品質のわるいものは要注意だ。健康にはあまりよくない。油条はアルミ含有量が多い食品で知られており、子供にあまりたべさせてはいけない食品の筆頭にあげられている。
■最近の報道(2007年8月3日、晶報)によると、広東省深セン市当局の抜き打ち検査で、衛生省が許可するレストランで売られていた油条の85%から、最高基準値の19倍(平均4・43倍)のアルミニウムが検出された。添加物のミュウバンとふくらし粉の中にアルミが基準より多く含まれていることがあるのだと。子供に長期間食べさせると大脳の発育に影響があるし、妊婦さんが食べれば胎児への発育に影響があると、専門家らが警告している。油条のほかに、はるさめ(フンスー)、涼粉もアルミニウム汚染の危険があると指摘されている。
■③臭豆腐。
ものすごく臭い、あえていえば汚物のにおいのする豆腐。しかし、クサヤの干物と同じで、食べると病みつきになる、北京の代表的なスナック。まちかどで揚げ揚げ売っているが、相当遠くからでも鼻が曲がりそうな匂いがする。
■臭豆腐は本当は納豆菌とか酪酸菌で発酵させた大豆発酵食品なのだが、最近しばしば報道されているのが、下水の汚水、早い話がうんこ水につけて匂いを付けてつくるニセ臭豆腐だ。本来の作り方で臭豆腐をつくろうとうすると、温度管理とかものすごい手間暇かかるのだが、汚水でつくれば簡単に臭い匂いがつくという。昨年4月13日付京華時報が、北京市石景山区当局の摘発事件として報じたほか、今年、独立系ネットニュースサイト大紀元も確か広東省深セン市の臭豆腐がこの方法でつくられている、と報じていた。この臭豆腐の作り方は、むかしからけっこうポピュラーらしい。
■湖南省あたりでよく食べられる黒い臭豆腐は、工業用硫酸亜鉄が添加されているケースがあるという。各地で、そんな臭豆腐をたべてめまいを起こした、といったニュースが報じられている。2004年6月28日付晨報では、国家食品品質検査センター(上海)の食品検査検疫主任が、道ばたで売られている安い臭豆腐には、工業用硫酸亜鉄が添加されていることがある、と警告していた。本物の臭豆腐との見分け方は、硫酸亜鉄添加だと墨のように真っ黒だが、本物の臭豆腐は青黒いのだという。
■④シシカバブ
北京にはときどき、羊肉のかわりに豚肉をつかったニセシシカバブがある。今は豚肉が高騰しているので、むしろ豚肉シシカバブは高級品かも。だが、その肉が猫である場合もあるので、愛猫家は要注意だ。
■2006年1月5日付上海紙・東方早報が報じた。05年10月ごろから上海市で野良猫の失踪事件が相次ぎ、上海小動物保護協会は失踪猫の追跡調査をしていた。それで、その猫が、どうやらシシカバブ屋台に売られていることをつきとめ、そこの屋台の肉をこっそり持って帰り独自にDNA鑑定すると、はたして猫科動物のDNAが検出された。羊頭狗肉ならぬ羊頭猫肉。
■上海や北京には野良猫屠殺業者が少数ながらいる。目的は皮で、1枚120元くらいの値段で売れるのだという。でも肉は安いらしい。でシシカバブ屋台はこの安い肉を買い、羊肉とまぜ、羊脂をまぶしてシシカバブにする。普通の客はまずだまされるという。
■⑤肉まん(包子)
肉まんといえば、段ボール肉まん騒ぎが記憶に新しいが、段ボール肉まんがたとえ本当に存在しても、そんなものよりもっともっと危険な肉まんがある。それが猪肉瘤包子あるいは血脖子包子。
■猪肉瘤、血脖子とは、病死豚のリンパ節や首の部分。中国では病死の豚を平気で市場に流したりするが、それでもリンパ節は、ウイルスや病原菌が集まっている場所として捨てるのが常識。しかし、あえてその危険部位を安いから、といって買う業者がいるし、売るヤツもいるのだ。実際、豚から人に感染するウイルスや病原菌は存在するので、極めて危険なのだそうだ。今大流行中のPRRSが人に感染するかは、しらないが、PRRSと合併症で豚が感染した連鎖球菌は人に感染することがあるらしい。
■南国早報が2005年7月14日付で報じている。広西チワン族自治区南寧市で、猪肉瘤が㌔4元で売られ(普通の豚肉は今キロあたり18元くらい)、肉まん屋が日常的に買いもとめ、肉まんのアンに使っている、との市民のタレコミがあった。さっそく記者が客のふりして取材してみると、女性がひとり、猪肉瘤を買い求め、肉まん屋にもって帰っていったのを確認。また、猪肉瘤を売っていた肉屋は、これが肉まんのアンに使われることは公開の秘密だ、と語ったそうだ。南寧市の牧畜獣医当局は、肉瘤とは、食用にしてはならない部署で、市民に、もし見かけたらすぐ通報するように呼びかけている。
■このほか、街角であげあげ、やきやき売っているスナック類には、このシリーズでも取りあげたことのある下水道油が使われていることがある。油が酸化しているだけでなく、重金属や雑菌が含まれていて、急性胃炎を起こすことなどあるので要注意だ。食器や調理器具もちゃんと洗っているか疑わしく、経口でウイルス性肝炎に感染したりする危険もある。あと、冬の街角で売られる焼き芋は、実においしそうで魅力的なのだが、あの芋を焼くのに使われているドラム缶が、化学原料やタールの缶であったりすることがあるので要注意だ。
■こんな風に、あぶないあぶないといっている私も、北京にきたてのことは、結構屋台モノたべていた。おかげで、何度か急性胃腸炎にもかかったが。でも、今思うと、中国は屋台でなくとも日本よりずっと外食費が安いのだし、あえて危険をおかす必要はないのではないのだろうか。北京に観光においでのさいは、ぜひ清潔でいい店で食事してください。


by nihonhanihon
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