■おはようございます。昨日早く寝てしまったんで、朝ブログです。今メールみたら北京の友達(中国人)から、みんな君のことを注目している、がんばれ、とのおたよりが。でリンクのアドレスをひらいててみると、こんな記事がありました。
http://www.ycwb.com.cn/ePaper/xkb/html/2009-11/26/content_666396.htm
自分のブログでこれを紹介すべきかどうか、悩んだのですが、やっぱり面白いので、恥をしのんで訳します。羊城晩報という広州の新聞(夕刊紙)です。毎度お騒がせいたします。(照れ隠しに赤字でつっこんでみた)
(引用開始)
■やまとの国の物語
「元北京駐在記者、大口たたいて下崗(失業)」
■「11月30日、私失業します!」日本のツイッターで産経新聞著名記者(じゃないって)、元北京駐在記者、福島香織のやるせない私語が日本のツイッターで伝わってきた。
■福島の知名度は、帰国後、自民党衆議院担当報道でレベルアップしており、いわゆる失業組にはいるはずもないタイプ(いやいや、帰ってから原稿あんまり書いてないよ)。福島の記事は2002年から2008年の北京時代の報道をみるに、言葉は通俗的でわかりやすく、政治変化への反応は鋭敏で、表現は繊細(えっ?褒め殺し?)で、自民党の執政に対してはポジティブ報道の姿勢をとっていた(自称保守ですから)。
■中国時代は基本的に中国の暗部を書き、かなりちがう。それは福島が「政治的正しさ」を堅持していたということだろ。つまり、福島の失業は彼女の日本政治にたいする報道とあまり大きな関係はないということだ。(ここらへん、興味深い。中国では記者の失業は、彼らの書いた政治記事とけっこう関係があるのだ)。
■しかし、日本メディアの中では、彼女がツイッターで新聞社に対してあんまり満足していなようなことを言ったという噂が繰り返されている(それ、あくまで噂です。Jキャストあたりが拡大解釈してことを大きくしただけ)。
■しかし目下、新聞社側はまだ彼女の自由を剥奪しておらず、少なくとも産経新聞のサイトには、彼女のブログが存在し。そろそろアクセス数が700万アクセスをこえそうだ(すでに超えました!)。
■福島は現在、さらにアクセスを呼び込んでおり、30日、うまくいけば産経新聞に別れを告げる前に、願いがかなうだろう。
■実際、産経新聞における中国に対するマイナス報道は多ければ多いほどよかった。福島香織は中国駐在期間、常に自ら取材し(いやそれは記者だから当然のことだし。っていうか自分で取材しなきゃ誰がするの)、彼女の報道は中国に対する悪意も少なからずあったが、しかし少なくとも彼女が取材し見たことを書いたのだ(そういってくれると救われます。でも悪意というわけじゃないよ)。
■ひょっとするとマイナス報道が癖になっていたのかもしれない(マイナス報道がじつは一番書きやすいんです。褒める記事はテクニックとしてもむつかしい)。日本に帰ってからも、福島はツイッターのなかで日本のメディアと政治に対して理解できないこと、疑問を頻繁に発表しており、意識しないうちに「大口ガラス(大嘴老鴰)」になっていたのかもしれない。
■「記者クラブは既得権益の保護者だ」「首相の演説稿はえんバーゴつきで事前にくばられる」…。
■結果、彼女の大口は、メディアと政界の種々の怪現象をすっかり暴露し、同業者をも彼女を非常に心配させたのである。(広州駐在記者あたりが、福島さん、あんなこといって大丈夫なんかと羊城晩報記者に言った可能性あり)
■外国に対し(特に中国)すごい批判をしてもいいのに、いまツイッターで日本メディアの悪行をつぶやいてなんでいけないのか?「会社の悪口を書くなとサインさせられた」「初めての失業ですドキドキ」などと、福島香織は依然、人がなんと言おうと自分のいいたいことをいって、ツイッターでつぶやきつづけた。
(一応、懸命な皆様はわかっておいでだと思いますが、「会社の悪口をかくな」という文面の文書にサインしたわけではなく、私がようするにそういう意味のことなのかと、解釈しただけのこと。会社側としてはそういう意図はまったくない、との説明をあとでうけました。まあ、どこの社も似たようなサインはさせられると思います)
■今月30日がすぎたあとどのようにくらしていくか、福島も自分で予想がつかないという。彼女の失業は無能、無名によるものではなくて、ツイッターの影響を小さく見すぎて、日本メディアの度量というものも見誤ったことがより大きな原因であろう。
(以上)
■まず素直な感想。一介の記者の退社がネタになるとは、羊城晩報どんだけ紙面あまってんねん。
■まあ、口は災いのもと、というのは確かです。ツイッターのつぶやきすぎには注意しましょう。私は正直、ツイッターのどーでもいいつぶやきなんて最初はだれも見ていないだろうと思って好き放題言っておりました。意外にみているんですね。おそるべし、ツイッター。でも中国ではツイッターを見ることができないんじゃなかったっけ?
■この原稿で興味深いのは、中国の記者が失業するときは、政治記事の書き方が原因であることが多いということをにおわせている、ということですね。私の知っている記者も、政治的に問題のある記事を書いて、やめさせられた人はいました。だから福島がやめたぞ、おい、何書いたんだあいつ、中国でも書きたい放題書いていたからな、と私を知っている記者は思ったのかもしれません。
ふふ、でも日本の記者は麻生さんは漢字よめないと書いても鳩山さんのことを宇宙人と書いても、別に問題になりませんからね。
■この記事がみょうに私に好意的な部分があるのは、私がやめる前に、記者クラブ批判とかある種内部批判ととられる発言がツイッターやブログであって、おそらくそれが退職と関係あるのではと考えた中国人記者が、そうか日本も、報道に自由があるといいながら、実はそんなに自由じゃないんだ、と親近感をもったせいかもしれません。
■まあ、報道の自由なんて、どこの国にも制限はあります。日本だって、ここはタブー、これ以上は許されない、という加減があって、そこのぎりぎりのところで悩んだり工夫したり、挫折感をあじわったりというのは、中国の記者も同じなんですって。
■私が会社を辞めたのは、ほんとうに勢いというか、思いつきというか、いくつかの小さな理由がたまたまかさなっただけで、なにか大きな理由があるわけではありません。
■辞める前に、偉い人たちに直接うかがってあいさつしてきたのですが、そのときにある人から「これからどうするの?」ときかれて、「いやあ、実は何もきめてないんですよ、てへっ」と答えたら、「どうせそんなことだろうと思った。たぶん小遣い(退職金)がほしかっただけだろう」などと言われてしまいました。おそらく、そのセンが一番近い気がします。
■正直、会社からは人一倍チャンスを与えられたのに、人一倍会社に迷惑をかけた問題児であったと自覚しております(本当に自覚してんのか、とつっこまれそうですが)。それでも、別のえらい人からは「会社に貢献してくれた」とねぎらっていただき、本当にうれしかったです。私の自己抑制のなかなか効かない性格でも、18年も勤められたのは、産経が非常に自由や個性をみとめてくれる社風であったからだと思っています。いやあ、楽しかった。わが青春の産経であります。
■話は変わりますが今回、ツイッターの影響力をわが身でも実感しましたし、同時に馮正虎成田籠城のツイッターリアルタイムリポートとか、その前のモルドバのツイッター革命とかをみて、新しいネットツールの登場が報道、ニュース、情報伝達のしくみ、ありかたを激しく変えているさなかに自分がいるんだろうな、と思いました。
■こういう時代に、記者クラブに所属する記者しか会見に出席できないとか、番記者以外が政治家に接触できない、という取材の形が変わらずにおれるとも思えないし、毎朝毎夕時間どおりにきっちり家に届く紙の新聞だけの稼ぎで大勢の記者の重労働を賄えるとも、私には思えません。だからおそらく、今後次々登場するニューメディアというものを交えて、マスコミの形がこれから数年のあいだに激変していくのだろうなあ。そういうときに、私ひとりくらい食っていけるニッチが、この業界にも生まれるだろうと思って、結構気楽にかまえていたりして。
■こんなゆるいヤツなので応援してくださいとは申しません。今後も、ナマ温かく見守ってやっていただければ。


by nihonhanihon
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