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中国「萌え」アートの台頭?その2

2006/06/22 11:48

 

 
 ■中国の現代美術というと、最近まで政治的なものが圧倒的に多かったけれど最近、日本のサブカルチャー風味の萌えアートが台頭している。その中でも特に萌え度というか、オタク度の高いのが「コスプレパフォーマンスアート」だろう。写真は広州出身のパフォーマンスアーティスト、曹斐さん(27)の作品だ。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

■まず、どこがアート?ふつうの「コスプレパーティ」ではないか、と凡人は首をかしげてしまう。中国では、日本サブカルチャーファンが多く、日本アニメや漫画、ビジュアル系ロックバンドの手作り衣装をまとって仲間同士で集うコスプレパーティが結構流行っているのだ。
 しかし、先月、北京で中国萌えアートを集めた「ジャパニメーション」展を企画した東京画廊(北京)の金島隆弘さんはきわめて真剣に「曹斐は、挑戦的なアーティストです」と太鼓判を押す。

 ■ここでまず先に、中国のパフォーマンスアート(身体芸術)についての理解が必要だ。
 中国の現代美術の特徴は、一般に政治的であること、といわれている。文革以前はプロパガンダ芸術であり、改革開放後は文革体験をテーマにした傷痕リアリズム、さらに体制への反発や民主へのあこがれや創作の原動力とされた。
 特に80年代の中国前衛芸術運動は公安による弾圧への抵抗の中で独特の輝きを放つようになっていた。この時代、芸術家らは公安に追い回されながら、その間隙をぬってゲリラ的に展覧会を開いたりしたそうだ。その過程で逃げるのに都合のいい、自らの体を使うパフォーマンスアートが盛んになってゆく。だから中国でパフォーマンスアートというと、最も反体制的かつアグレッシブなイメージがあるのだ。

 ■しかし、文革がおわって今年で30年目。大学生ですら「四人組って誰?」というご時世で、文革体験や政治は芸術創造の原動力に成り得なくなってきている。そこで、パフォーマンスアーティストは社会現象にインスピレーションを求めはじめた。
 それが、曹さんの場合、コスプレと言うのである。

 

 ■いわく「コスプレの流行は、20年に渡って高速に発展してきた中国都市における若者の姿を象徴している。中国の都市は急速な発展と拡張によってさまざまな矛盾と現実的な困難を生み出しているけれど、若者たちはその緊迫した現実に対応するため、虚構のヒーローの姿に自らをプレイヤーとして異化させねばならないの。同時に、発展途上国におけるグローバル化そのものが、コスプレみたいなものね。中国の目下の現実は虚構世界より荒唐無稽ということよ」。

 ■彼女の説明はあまりに前衛的でついてゆけない部分があるが、要するに中国の若者の現実逃避ぶり、そして中国自身の現実逃避ぶりを、揶揄している、ということかな?
 曹さんは、たまたま通りかかった人、老若男女に声をかけ、コスプレさせる。寺山修司の実験演劇みたいだ。「外部の人に体験させることで、コスプレのサブカルチャー現象の表層にとどまらぬ意味を考えてもらうことができる」そうだ。
 

 ■単に、日本の漫画、アニメ流行が反映されただけと思っていた「萌え」アートだが、実は、中国のアンバランスな急速発展が産んだ不条理な現実にとまどい、逃避にはしる現代中国人の屈折した心理を映し出しているのかもしれない。


 ■と、なんか真剣に分析してしまったが、自らネコミミをつけて楽しそうにパフォーマンスアートを振り付けている曹さんをみると、やっぱり単なるオタク?とも思ってしまった。

 


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北朝鮮の瀬戸際戦略に昔の自分たちを見る中国人民

2006/06/20 12:00

 

 ■テポドン2号、発射するのだろうか。ミサイルというものは燃料注入してしまうと、ちょっとやそっとでは中止できないらしい。瀬戸際戦略かしらないが、自分で自分を追いつめているようにみえる。なにより、これまで陰なり日向なり、北朝鮮をかばい(ときには恫喝もして)国際社会とのパイプ役になろうと努力していた中国のメンツ、つぶしては、相当まずいんじゃないか。

 ■だから「北朝鮮のぼけ、かす、TMD(ターマーダの略、中国語特有のののしり言葉)!」と内心叫んでいる中国人は多いのでは、と思って、またまた、インターネットの掲示板を探ってみた。
 ネットの掲示板の書き込みはもちろん、世論を代表するものではないが、日本の2チャンネルよりも、数倍、あるいは数十倍は中国当局者や既存メディアに対する影響力があるので、やはり、なにかイベントがあるたびのぞいてしまう。

 ■すると意外に、北朝鮮擁護論が多い!
 「ポスト80年代(の戦争、闘争を知らない世代)に対し、私は深く遺憾に思う。艱難辛苦の月日を知らず、風霜の歳月を経験せず、政治的に極端に無知で、皮相な政治的観念の欺瞞のなかで、ただケンタッキーとマクドナルドだけ知っている世代よ。
 もしミサイルがなければ、米国のミサイルが朝鮮の領土におちるのだよ。

 もしミサイルがなければ、米国の鉄の軍靴が鴨緑江を超えるのだよ。

 もしミサイルがなければ、中国もまだ、困難な時代に暮らしていかもしれない。

 もしミサイルがなければ、我々の国家はもっと早くに崩壊していたかもしれない

 「北朝鮮同志、えらいぞ!中国をモデルに学んで、気骨を持って堂々と経済建設をすれば、20年後には中国を越え、30年後には日本を超え、40年後には米国を超えるのだ。米国の鼻息の下で調子にのる小日本など、まねしてはいけない。中国だって、40年まえにはなにはなくとも、ズボンをはかずとも核兵器を造ったのだ。で、今のように意気軒昂と世界民族の林の中で屹立しているわけだ。 朝鮮同志を支持するぞ。朝鮮人民軍に敬礼」。

 ■そうか、今の北朝鮮のやり方って、40年前の中国とまったく同じなのだ。北朝鮮の悪あがきに見えるこんな行動も中国の愛国者からみれば、昔の自分を見る思いで、応援したくなるらしい。
 中国大躍進で2、3000万人の餓死者を出そうが、国内がどんなに荒廃しようが、まず核抑止力をもつことに最大の国力を注いできた。最初の原爆実験を行う年の前年の1963年、ときの陳毅外相はこういっている。「中国はたとえズボンをはかなくとも核兵器を製造するだろう」。
 で、結果としては、核をもっていたからこそ、ソ連に屈することなく、米国と国交正常化でき、国際社会の仲間入りを果たし、今では六カ国協議でホストを華々しくつとめ、国際社会からそれなりに一目おかれる大中国の地位に到達したのである。核ミサイルをもっていなかった東欧の国々が、ソ連にどのように牛耳られてきたかをみれば、その判断は正しかったのだ。

 ■北朝鮮が偉大な兄貴に倣って、今の瀬戸際戦略にでているのはわかったが、やはり今の時代にあっていないと思う。ちなみに、日本は、中国が貧困に耐え、歯を食いしばってミサイル開発に没頭している間、世界で一番すぐれた新幹線をつくり、五輪を開催し、万博を開催し、昭和イザナミ景気を満喫し、経済大国となり、あちこちODAしまくり、国際社会の地位を築いた。確かに、米国の鼻息の下で調子づいているように見られるかもしれない。しかし、石油資源もなく、食料自給もできない島国としては、そこそこのバランス感覚ではないか。北朝鮮も、日本を見習って腹をくくって、中国の鼻息の下で踊る覚悟でもあれば、もうちょっとうまく体制を維持したまま、ソフトランディングできるかもしれないというのに。

 ■そうそう、ネット掲示板では、北朝鮮への応援書き込みのほかに、こういうのもあった。

 

 「朝鮮は今、地球を一周するミサイルを研究開発中。いずれ、朝鮮自身に着弾する

 

 

 

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中国「萌え」アートの台頭?

2006/06/17 16:00

 

 

  ■株よりも確実に儲かる、と友人らに言われて今、中国の若手現代美術を物色中だ。北京の現代美術作家のアトリエが集中する大山子芸術区ではいつも新人の展覧会が何かしら開かれており、よく足を運ぶ。ここにギャラリーを構える東京画廊(本社東京)によれば、1億円の値がつく作家はすでに中国で10人いるとか。値段がここ数年で倍になるなど、お買い得作家も100人はいる、らしい。
 

 ■「経済高度成長期には美術市場が拡大する」という原則は中国でも当てはまるらしく、中国現代美術市場は確かにかつての日本の絵画バブルに似た盛況を呈している。中央美術学院を卒業したての若者の絵や立体を買っておくと、10年後にはン倍になる、など言われ、芸術に縁遠そうな炭坑成金まで絵を買うご時世だ。

 ■中国の金持ちからみると、上海や深センの株式市場はがたがただし、不動産市場は政府の行政指導で圧力がかかってこれまでほど大きなのびはない。となると、残る投機先は美術市場、というわけだ。現代美術なら骨董市場ほど偽物に悩まされることもない。

 ■というわけで、私も、未来の巨匠を発掘するつもりで、日本や中国キュレーターやコレクターに意見を聞きつつ、自分の気に入るような作品を探し始めている。そこで気がついたのは、なんか日本のサブカルチャーに影響を受けたような作品がけっこう多い、ということ。五月に、東京画廊が「ジャパニメーション展」という、日本サブカル風味の作品を集めた展覧会を開いたほか、上海でも一月に「虚擬@愛」という同様のテイストのかなり大規模な展覧会を開いて好評を博していた。

 

 

 ■私が結構すきな画家、劉野さん(44)もそんなひとりに数えられる。この人の絵は、売れっ子の日本人画家、奈良美智さんと雰囲気が似ている。マンガチックにデフォルメされた少女のモチーフが多いが、奈良さんの絵のように「可愛いけれど恐い」感じ。
 彼のアトリエにうかがって絵をよーく見せてもらったのだが、たしかに「かわいいだけでない陰影」が日本的。彼の絵には、ブルーナーの絵本のウサギのキャラクター「ミッフィー」が描き込まれることがあるのだが、このミッフィーが、可愛くも不気味なのだ。これって日本の女子高生らが好む「カワキモ(可愛いが気持ち悪い)」じゃない?
 と、劉さんにそう言うと、「奈良美智とは友達だよ。二人ともベルリンで絵を学んだ経験があるから、似たところもあるだろう」。ちなみに日本での代理店は奈良さんと同じTOMIO KOYAMAギャラリー。

 

(劉野さんと作品)


 

 ■話しているうちに、アトリエにおもしろいものを見つけた。片隅の棚に、ずらりと美少女フィギュア(人形)!
 劉さん、ひょっとしてオタクですか?と、内心思いつつ眺めていると、「私がこういうモノを好きなことを友達が知っていて、くれるんだよ」。さらに「自分の今の画風に影響を与えた人のアーティストの上位に、アニメ映画監督の宮崎駿が入る」とアニメ好きであることも明かしてくれた。
 劉野はオタクだった、と言ってしまうと、語弊をまねきそうだが、その画風に多分に日本のサブカルチャー風味が入りこんでいるのは間違いない。

 

(劉野さんのフィギュアコレクション!)

 

 「いや、宮崎のアニメはもう普遍的でグローバル。日本、中国といった区別などなく、黒澤明の映画みたいに、国際的芸術の創造に影響を与える存在だと思うよ」と本人はいっていたが、私はやはり彼の作品の中に日本風の「萌え」を感じてしまったのだ。

 

(この項つづく)
 

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中国はオーストラリア勝利で喜ぶより、国内サッカーの心配したら。

2006/06/13 11:55

 

 ■けさ、出勤途中でCNNの記者にあったときのこと。

 CNN「日本まけちゃったね」。

 私「うん、オーストラリア強かったし。アメリカも残念だったね」
 CNN「やっぱり世界のレベルって高いよ」。

 米国人記者とふたり、はああっと、ため息をついてしまったのは、昨夜のW杯で負けた悔しさそのものより、きっときょう一日、中国人サッカーファンたちが、われわれの負けをさぞ喜んでいるだろうなあ、と想像がついたのがいまいましかったから。

 

  ■きのうは、しずかなマッサージ屋で足底マッサージを受けながら観戦していたので、外の騒ぎっぷりはわかりませんでしたが、自宅で観戦していた中国人の友人の証言によると、オーストラリアが点をとるたびに、住宅街がゆれるような歓声がおきたとか。「たぶん、ほとんどの中国人がオーストラリアを応援していた」そうです。ネット新聞でも「日本を下してアジアの新覇者登場」といった見出しのニュースが踊っていました。

 中国人にはオーストラリア国籍取得者も多いし、日本以上に親近感を持つ人も多いのでしょう。それはいいのですが、

 今日のネット掲示板などにあふれる日本チームへの侮辱がなんかしゃくにさわる。自分たちが勝ったわけでもないのに、ものすごいはしゃぎっぷり。


 ■たとえば、新浪掲示板。
「日本が負けるのを観て、ほんとうれしい。日本がアジアを代表するチームなんていうな。日本人がアジア人だなんて認めたおぼえないからな。日本チームがまけて、日本人たちががっかりしているのがうれしいのだ」

「小日本が負けたのは、これは喜びに値する。小日本を応援したやつは中国人にあるまじき行為だ」

 

「日本鬼がついに負けた。爆竹花火でお祝いしよう!」

「小鬼子がずたぼろにやられて痛快だった!」

 

 「同じアジアじゃないか、私は日本を応援していた」なんて日本擁護の書き込みもたまにありますが、そんなの売国奴扱い。日本はかつて中華民族に対し大罪を犯した!なんて政治的な書き込みもありました。

 

 ■サッカーは、闘争心をあおる典型的な代理戦争スポーツ。熱くなるのはむりもありません。でも、自国チームが参戦しているわけでもないのに、第三国同士のゲームなのに、どうしてこんなに中国人のナショナリズムが燃えるのでしょう。

やっぱりアジア杯で日本にずたぼろに負けたのを、根にもっていて、日本に負けてほしいと思っている?私なら日本を負かしたチームに勝ってほしいけど。強いチームに負ける方が弱いチームに負けるより、格好がつくでしょうが。

 

 ■ただ興味深いのは、中国人たちが日本チームをさんざんこき下ろしたあと、結局は「中国チームがW杯にかすりもしないくらい弱い」と、どーんと落ち込んでいてること。「オーストラリアがアジアの新覇者となるなら、中国がW杯に出られるチャンスはますます難しくなるのでは」と。。

 

 ■そうです。実際、2018年のW杯のホスト国の座をねらっている中国にとって、本当は日本をこき下ろして喜んでいるひまはありません。まず、自国サッカーのどうしようもない汚職体質とか、すぐタレント業や金儲けにはしってしまうサッカー選手の練習不足による堕落とか、目の前の問題をなんとかしなきゃ。一日本人としては、中国のサッカーが強くなってくれることを心より応援しているのです。かりにW杯中国招致が成功しても、中国チームがあまりにも弱くて、その不満がまた、いつかの反日暴動みたいに大爆発してしまうと、それこそ、とってもこまりますから。

 

新浪のサッカー掲示板はこちら
http://comment.2006.sina.com.cn/comment/skin/default.html?channel=ty&newsid=427-6-30931

 


 

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今年の「超女」はつまんないみたい

2006/06/12 19:16

 


 ■「超級女声」というテレビ番組をご存じだろうか。湖南衛星テレビで一昨年前から始まった「中国版スター誕生」みたいな視聴者参加型イベント番組。全国から素人女性が歌唱力や個性などを競いあい、勝ち抜いてゆき、決勝戦でグランプリが決まる。番組名の略語の「超女」は昨年、流行語にもなった。

 

 



 ■この番組の魅力は、スターが、視聴者の携帯電話による人気投票で決まる過程。一部農村をのぞき、選挙の経験がない中国民衆は、自分の意見を反映する国民の代表を選ぶ選挙の快感、つまり「民主の興奮」を「超女」で知った、という意見もあるほどだ。昨年の「超女」は平均視聴率8・54%、「三強決戦」の視聴率は49%に達し、グランプリにかがやいた李宇春(22)=写真は、決して美女というほどでもないけれど、その中性的な個性で今や国民的アイドル、テレビや新聞、雑誌で見ない日はないほど。


 ■さて今年も4月から「超女」の地区予選が開始した。だが今年の「超女」は、なんか盛り上がらないのだ。W杯のせい?いや、違うみたい。
 最近の時事問題週刊誌瞭望東方週刊の「超女」特集によると、視聴者の多くが「参加者が以前ほどおもしろくないし、審査員の批評も前ほど鋭くない」と感じているらしい。中国新聞週刊によれば「超女は社会、世論に教化され淑女になった」とか。要するに、参加者が模範的ないい子ちゃんばかりで、はじけっぷりがたりない、ということだ。それじゃあ、中国中央テレビCCTV)の官製コンテスト番組「中国夢想」とあまり変わらない。


 ■なぜこうなったか。理由は簡単。昨年の「超女」現象と呼ばれる人気ぶりを受けて、その影響力を恐れる当局側の介入が本格化したからだ。当局のお偉方は昨年、「低俗番組」とのレッテルを貼り非難を展開。一時は今年の番組企画自体が中止になると危ぶまれたが、視聴者の支持の高さへの配慮と同時に、テレビ番組管理などの総元締め、国家ラジオ映画テレビ総局には、こういったコンテスト形式番組を外国の輸入ソフトに押されている国内テレビ制作業界の起爆剤に利用したい気持ちもあったようだ。


 ■で、三月にコンテスト形式番組について「投票風景の中継はできない」「地方大会の宣伝活動は現地の省レベル衛星テレビで放送してはならない」と、大衆の「選挙気分」を刺激しないような制限を通達。また、教育上の配慮として「参加者年齢を18歳以上」「審査員は人格を否定するような発言をしてはならない」とした。その一方で「ラジオ映画テレビ総局は『超女』を応援します」といった宣言文もネット上にかかげている。
 しかし前文化相らはやはり「一日にしてスターになるという思想を宣伝するこの番組は芸術を汚している。文化芸術の管理部門としては、こんなものをゆるすわけにはいかない…」と非難を続け、結果、番組制作サイドの自主規制も相当働いて、なんとも中途半端な健全青春歌合戦番組に成り下がってしまった、というわけだ。
 

  ■中国には2002年の統計で国有テレビ357局、有線テレビ1387局があるとされているが、これらテレビの人気あるソフトのほとんどは外国からの輸入ものだ。それを「文化侵略」と相手のせいばかりにして規制するのが今の中国のやり方なのだが、中国のテレビ番組、映画が外国製品に凌駕されてしまうのは「超女」の例を見てもわかるように、センスある企画を自らの手でつぶしているからにほかならない。
 しかし、当局はテレビ番組の影響力がが共産党独裁維持にマイナスに働くことばかりを恐れているが、専制国家に一番必要なのは、昔からパンとサーカス、衣食住のゆとりと娯楽ときまっている。おもしろい外国製ソフトを規制して、その上、中国のテレビもつまらなくしてしまって民衆の不満を募らせることの方が、独裁にはマイナスじゃないの?

 ■だから、私は今年の「超女」の視聴率が、ぼろくそに低迷したらいいと思っている。昨年、みながあんなにわくわくした番組を当局の介入がどれだけつまらなくしたかということがはっきりわかるくらい。 で、視聴者たちが本当におもしろい番組をみるには、、スターコンテストの投票くらいで満足していてはいけない、と思うようになれば、なおいいと思うのだが。


http://lyc.trmusic.com.cn/

 

↑昨年の「超女」の李宇春のオフィシャルサイトはこちら。

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我需要安慰的人 北京でホストが増えているわけ

2006/06/07 23:10

 

 

 ■きのうの地元夕刊紙によりますと、北京警察当局が四月下旬、初めてホストクラブをターゲットにガサ入れを行いました。98人のホストを拘束、うち1人はストリップの真っ最中だったそうです。

  このニュースを読んだ上司(つまり中国総局長)は「福島が現場にいなくてよかった…」とポツリ。

 なんで、そこで私の名がでてくるんでしょう!そりゃホストクラブに行ったことないとはいわないですが、それはあくまで、中国の女性問題を知る上の取材。個人的には金銭を介在せねば成り立たぬ男女関係になんの魅力も感じません。誤解なきように。


 ■ただ、ホストにむらがる女性が中国でも確かに増えているのは事実です。なにせ公安当局のターゲットになるくらいです。いったいなぜ? というわけで、きょうはホストがテーマです。
 

 北京晩報(6日付)のガサ入れ記事を引用しつつ北京のホストクラブがどんなものか説明いたしましょう。
 ガサ入れがあったのは場所は朝陽区の大正新時代歌舞庁。「動くな!警察だ」と現場に踏み込んだ警官たちが目の当たりにしたのは、紫煙がたちこめるほのぐらい個室の中、ソファに絡み合って座る男女のカップル、テーブルの上で皮パンツ以外何も身に付けずに踊る男性の姿でした。この歌舞庁、全部で20室の個室があり、チャージは100元だそうです。
 拘束された98人のホストは、東北など地方出身者で、年齢は20~22歳、長身でハンサムばかり。ただストリップをしていた男性(22歳)は四川省出身で、背が低く顔だちも一般的。ルックスで勝てない男性は、芸でチップを稼がねばならないという事情がかいま見えます。彼は一回踊るだけで三百元のチップを稼いだ人気者だったとか。

 ■こんなホストクラブは私の知るだけで北京に2、3軒ほどあります。このほか、「身長180センチのハンサムがうかがいます」といったホスト宅配のショートメールも来ることがあります。吉林省の新聞で、1日100元で、デートや食事の相手をするというパートタイムボーイフレンドの広告が出て、すごい人気だという報道もありました。どうしてこんなにホスト(男性の水商売)が、さかんになってきたのでしょうか。中国女性が社会進出してきたから?社会的地位が向上し、男女対等になったから?

 ■違うでしょう。客は一般におしゃれな美人が多いそうですが、実はほとんどが売春女性、ホステスなのです。
 ある売春女性に、なぜ、ホストにはまるのかと聞いたことがあります。売春しておれば男性が向こうからよってくる。なのにこちらから金を払ってつきあうのは不思議だ、と。
 すると彼女はいいます。「我需要安慰的人」(慰めてくれる人が必要なの)。彼女によれば、売春は孤独な仕事。親にも打ち明けられない、ばれて恋人にも振られた人もいる。好まぬ人に身を任せるのは屈辱的であり、心身ともにへとへとになるまで働いても、誰にもがんばったね、と肯定してもらえない。
 たとえ売春で稼いだ金で、故郷に立派な家を建てたとしても、そこにすむのは弟夫婦で、彼女の部屋すらない。私は夜更けのカラオケスナックの女性トイレで、顔の深いシワを原色の厚化粧で隠した女性たちが個室のドアを開けたまま用を足しつつ、けだるい声で同僚にそんな身の上話をしているのを、手を洗いながら立ち聞きしたことが一度ならずあります。
 

 ■売春を含む水商売は、農村出身女性にとってもっとも効率よく高額の現金を稼ぐ方法ですが、大金を稼いだからといって必ずしも誇りに思えない仕事なのです。こんな話をすると在北京の日本人男性駐在員らは否定します。「今の若い子はもっとあけらかんとしているよ」「贅沢したいために女子大生でも売春する」などといいます。おそらく日本人男性を相手にする高級店の女性はそうなのでしょう。しかし、江蘇省公安当局が「六月から生活に困窮して売春する女性は初犯に限りに情状酌量する」と独自に発表した例などからも察せられるように、圧倒的多数にとっては貧しさから抜け出るための手段なのです。

 ■ホストの話をするつもりが、売春女性の話になってしまいましたが、結局、ホストクラブの台頭は、売春女性がそれだけ増え、孤独でストレスを抱える女性が増えたことが一番の要因だと、私は思うのです。日本のホストクラブには行ったことがないので比較できませんが、その背景には、姉や妹に売春をさせても、長男には家を建て、嫁をもらってやろうと考えるような農村の男尊女卑思想もあるのではないでしょうか。

 ■中国で、体を売るホストは隠語で「鴨」と呼びます。売春婦は「鶏」。聞くところによると北京の「鴨」は一晩、1500元から2000元、これは「鶏」より二割ほど高めです。まったく、こんなところまで、男尊女卑なのです。





  


  


  



  

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北京は砂に埋まる?

2006/06/05 23:21

 

 

 

 ■きょう5日は世界環境デー、北京の人民大会堂で世界環境会議がありました。取材させろー、と訴えましたが、非公開なんです。ぎょっとするような環境破壊ぶりを示すデータがいっぱい出るからでしょうか、それとも周辺国から、ぼこぼこにつるし上げを食らってしまうのを見せたくないのでしょうか。
 ということで、本日は環境、特に黄砂問題についてです。最近読んだ、雑誌「小康」で「北京は砂に埋まる」というタイトルの特集がありましたが、これ冗談ではないのです。

 ■4月17日、北京では一夜にして30万㌧の黄砂が降りました。朝、目覚めると世界はイエロー。車にも街路樹にも1センチくらいの黄砂がつもり、空気は生臭い砂のにおいがみちていました。それ以前にひどい黄砂の記録というと2002年3月20日でしたが、そのときは降った砂は3万㌧。少なくとも気象記録上は、こんなに一度に大量に黄砂が降ったのことは建国以来ありませんでした。
 

 いったいなぜ、北京に降る黄砂がこんなに多くなったのでしょう。
 

 実はあの日、北京に降ったのは、内モンゴルのゴビ砂漠から偏西風にのってただよってきた普通の黄砂ではなかったのです。最近の統計によれば、北京の黄砂の80%が北京現地や周辺のもの、つまり黄砂の発生源は北京とその周辺だったのです。
 北京市には現在1046カ所の建設現場があり、そこでは大量の建築材が露天に放置されています。天気のよい日に景山公園に上って市内を一望すれば、建設現場からもうもうとホコリがたっているのがよく分かります。また市内で完全に砂漠化している土地も10万ムー(一ムーは6・67アール)、市総面積の0・4%程度あります。さらに隣の河北省の砂漠化がひどい。北京から直線距離にしてわずか70キロの地点がすでに完全な砂漠です。河北省の砂漠化ぶりはこんな感じ。
 

 

 ■これに加え、北京では年2900万トン以上の石炭がろくな脱硫装置もないまま燃焼、さらに車の排気ガス。05年、衛星からの観測では北京が世界最大の排ガス汚染地域のひとつだったそうです。ここに強い風がふくと、建材のホコリ、市内外の砂漠の砂、排ガスなどがほどよーく混ざって舞い上がり、滞留時間のながーい北京特有の黄砂となるのでした。
 こういう空気の中では息をするのも苦しいですし、目や皮膚が傷んでたまりません。



 ■黄砂は昔から俳句の季語にもなるくらいですから、自然現象といえなくもありません。地球全体の温暖化が砂漠化の原因というなら、中国だけをせめるのも酷かもしれません。しかし、北京でひどい黄砂が頻繁にあらわれた時代をすこし振り返ってみます。たとえば元時代の1367年には黄砂が44日続いたとの記録があります。これは建都のため、北京、河北省周辺で大量の森林伐採が関係しているといわれてます。六〇年代も黄砂がひどい時期でした。これは大躍進で鉄鋼の大増産のために森林を伐採をしまくったことが遠因とも言われています。

 黄砂のひどい時、背景には政府の不合理な開発政策があったということも忘れてはならないでしょう。でないと、国際協力で黄砂を防ぐぞ、いくら周辺国が意気込んでも、空回りしかねない気がするのです。




 ■黄砂問題を解決するには、まず緑化、植樹だといわれています。しかし、木は水がないと育たず、今北京には木にやる水がない。郊外の農村では農業用水や生活用水にもことかくところがたくさんあるのです。そもそも、北京市の都市能力では1200万人の人口を支えるのが精いっぱいといわれているのに、すでに1600万人暮らしていて慢性的な水不足なのです。
 で、あの長江から北部に水を運ぶ大運河プロジェクト「南水北調」に期待があつまるのですが、世界最大の汚水溜めとも言われる三峡ダムから運ばれた水が北京にどっと流れこめば、これまたどんな環境破壊がおきるか。
 

 ■砂に埋まるか、汚水浸しになるのか。北京っ子にどちらがいいか尋ねると、「そのまえに人口を半減するべきだ」といいました。軍隊でも出すつもりでしょうか。別の中国人(きっと上海人)は、遷都すればいいと言っています。

いずれにしろ、北京の未来は薔薇色とはいかなさそうです。 

 

 が、それでも2008年のオリンピックのスローガンは「緑色五輪(エコロジー)」。こういう強気に、お人好しの隣人はいっそう不安にかられてしまうのです。
 


 ■黄砂問題を解決するには、まず緑化、植樹だといわれています。しかし、木は水がないと育たず、今北京には木にやる水がない。郊外の農村では農業用水や生活用水にもことかくところがたくさんあるのです。そもそも、北京市の都市能力では1200万人の人口を支えるのが精いっぱいといわれているのに、すでに1600万人暮らしていて慢性的な水不足なのです。
 で、あの長江から北部に水を運ぶ大運河プロジェクト「南水北調」に期待があつまるのですが、世界最大の汚水溜めとも言われる三峡ダムから運ばれた水が北京にどっと流れこめば、これまたどんな環境破壊がおきるか。
 

 ■砂に埋まるか、汚水浸しになるのか。北京っ子にどちらがいいか尋ねると、「そのまえに人口を半減するべきだ」といいました。軍隊でも出すつもりでしょうか。別の中国人(きっと上海人)は、遷都すればいいと言っています。

いずれにしろ、北京の未来は薔薇色とはいかなさそうです。 

 

 が、それでも2008年のオリンピックのスローガンは「緑色五輪(エコロジー)」。こういう強気に、お人好しの隣人はいっそう不安にかられてしまうのです。
 


 

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北京の薩満太太

2006/05/31 16:02

 


■北京は日中最高温度、摂氏三十を超える真夏日を迎えています。読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。本日より開始ます当ブログは、おもに北京および中国各地の、趣聞(チーウェン、興味深い話題)を世相などとからめて強引に解説するものです。メーンディッシュの新聞記事には及ばないが、あればうれしいデザートのような話題を提供できればと考えています。
 
■さて、きょうの趣聞は北京の「薩満太太(サーマンおばさん、太太は中国語で婦人に対する敬称)」についてです。
「薩満」とは英語のシャーマンの語源となる満州語「サマン」に漢字をあてはめたもの、つまり呪術師。東アジアの満州族(女真族)などツングース系の原始信仰、サマンが漢族の土俗信仰などと融合して今も「薩満太太」と呼ばれる呪術師が農村部に結構いるそうです。
彼女らは「跳神太太」といった呼び名もあり、トランス状態になって飛び跳ねたり、首を激しく振り歌いながら「神」のお告げを伝えます。たいていは病気治癒に関するお告げですから、呪術医といってもいいでしょう。共産主義国、しかも「科学立国を目指すぞ」と息巻いている中国で原始宗教が今も息づいているとは驚きです。しかも北京の比較的金持ちの都市民も、車をとばしてわざわざ農村の薩満太太を訪ねて病気をみてもらったりするのです。

■そんな北京っ子の友人の案内で薩満太太に会ってきました。場所は「北京の水瓶」と呼ばれる湖、密雲水庫がある密雲県の某村。ここは北京市といいながら万里の長城の北側、つまり西太后が漢族に東北部の開拓を許す前は、ツングース系少数民族しか住んでいなかった地域なので、薩満信仰の名残があっても不思議はない気がします。
 北京市中心部から車で三時間半、山をいくつか越えてたどり着いた村に、薩満の家はありました。煉瓦づくりの典型的農家の門をくぐると、仏教風の赤い祭壇。その右手の部屋のベッドの上に隻眼の老女が横たわっていました。この方が薩満太太です。




 齢、七十六歳。首を振り歌いながらお告げをするそうです。ただ、現地に行ってわかったのですが、この太太、三カ月前に脳溢血で倒れて寝たきりになり、もう首振りのお告げができないとのこと。
 ムダ足か、とがっかりしたのですが、太太はまだ視力の残る左の眼で、私たちを見つめて手招き。まだ病気治癒の力は残っている、というのです。
 同行の歴史研究家が、診てもらうことにしました。太太は友人の手の平をなぜながら、ごにょごにょと何か語りはじめす。太太の娘の通訳によると、「首を痛めている。気持ちがいらいらするだろう。。死んだ息子がいるはずだ」。うーん、当たっているのか当たっていないのか微妙な内容。
 さらに太太の指示で娘が祭壇から赤い顔料のような粉を取り出してきて紙に包み渡しました。「これを少量ずつ飲み物にまぜて毎日飲むように」と。歴史研究家はこっそり耳うちして「たぶん、亜鉛か何かの鉱物だ」といいますが、毒か薬かわからぬものを飲めとは。で、最後に祭壇の前で焼香、叩頭し祈ります。



■ひょっとしてペテン?と思っているのが、顔に出たのでしょうか。太太のそばに座って、治療の順番を待っていたリューマチらしいおばあさんが「太太の治療は本当によく効くのだ。私も歩けなかったのが歩けるようになった。この村で太太に救ってもらわなかった者はいない」と、いかに太太が村人から尊敬を集めているかを説明します。
 太太は生まれつき、薩満としての能力が備わっていたのではなく、六十歳のとき、清朝の皇帝の避暑地である河北省承徳
を訪れたとき、突然備わったそうです。
 「神の声が聞こえるのはどんな感じか。今まで何人診てきたのか」。好奇心旺盛な歴史研究家がねほりはほりききはじめると、太太の娘の表情が徐々に険しくなってきます。「どうしてそんなこときくの。写真を撮るのはなぜか」。
 友人は「みんな俺の友達だから安心しろ」と説得してその場を丸く収めましたが、あとできけば、政府の邪教狩りに相当おびえていたとのことでした。「私たちは邪教なんかじゃない。村人のためにどれだけ役にたったか考えてほしい」。娘は、そうも訴えていました。
 

■さて、この薩満太太が「邪教」か「ペテン」かどうかは別にして、医療・衛生環境が劣悪な中国の農村には、このような呪術医、ウィッチドクターみたいな存在は昔からありました。「新型肺炎(SARS)」のときも、「爆竹をならせ」「豆のスープをのめ」といった治療法を指示して新聞に「迷信にまどわされぬように」とわざわざ警告がでたほどですから。
 特筆すべきは、それが、最近は都市民までわざわざ農村にに出かけて治療を求めたりすることからもわかるように、改革開放後、廃れるよりむしろひそかに人気がでている兆しがあることです。だからこそ、当局は「邪教」に対する締め付けをきつくしているとも言えます。
 当局が「邪教」に今ほど敏感になったきっかけは「法輪功」ですが、考えてみれば法輪功も、気功治療プラス仏教的色彩が一緒になって農村から都市まで広がったからで、人々が薩満を慕うのと背景は同じでしょう。
 中国の医療のいい加減さ、医師や看護婦の横暴さ、賄賂、腐敗の浸透ぶり、医療費のでたらめな高さ、それにニセ薬の多さをみれば、私ですら中国の病院か呪術医か、二者択一をせまられた場合、呪術医を選ぶかも。少なくとも呪術医には輸血や医療器具によってHIVや肝炎に感染するような危険はありませんし、値段も安いですから。(中国の病院では、手術前に「輸血による感染症や院内感染については病院の責任を問いません」といった文書に署名を求められることが一般的。そのぐらい院内感染は多いといわれてます)。薩満太太の治療費は北京市中心からきた金持ちそうな私たちですら五十元でした。村人なら数元程度らしいです。
 

中国共産党が「邪教」に敏感なのは、過去の歴史の中で、宗教結社の影響力が王朝滅亡の引き金となった例がたびたびあったからでしょうが、素朴な人々に安心と救いを与えるこういった土俗宗教や気功を「邪教」扱いして弾圧すれば、社会の不安定化はいっそう進むのではないでしょうか。弾圧する労力を、少しでも安全で行き届いた医療システムと社会保障整備を確立することに注いでほしいものだ、と薩満の村でつくづく思ったのでした。 


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